心理士だより「心ばかり」2023年11月号

こんにちは。臨床心理士の山田清美です。
段々と寒さが増し、2023年もそろそろ終わりが近づいてきましたね。
今回は、保護者の方にいただいたご質問にお答えしていきたいと思います!

Q1.臨床心理士ってどんな仕事をしているの?

心理士の資格って色々…

いわゆる「カウンセリング」を行う人は様々います。臨床心理士、公認心理師、認定心理士、メンタルケア心理士、臨床発達心理士などの資格を持っている人が多いです。色々資格がありますが、どう違うのでしょうか。
簡単に言うと、全て心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間の“こころ”の問題にアプローチする“心の専門家”です。違いといえば、公認心理師は国家資格、その他は民間資格で、それぞれによって資格取得の方法や更新制度などが異なります。大学院まで行って取得できるのが、臨床心理士と公認心理師です。
背景とする考え方もそれぞれの資格で異なります。
臨床心理士は、“床に臨む”という名前の通り、もともとは医学・看護学の用語で、床に伏せる患者さんに対してぴったり寄り添い、その問題や症状と向き合うという意味を持っています。目の前の人の不安や問題を解消・軽減するために実践的・応用的に心理学を用いるのが臨床心理士です。

 

心理士の働いている場所…

臨床心理士や公認心理師は、主に教育、保健医療、福祉、司法、産業の5つの場所で働いています。北海道医療大学HPの図が分かりやすかったので、下に載せています。
私の大学院時代の友達にも、巡回相談員(福祉)、スクールカウンセラー(教育)、家庭裁判所調査官(司法)、クリニックの心理士(保健医療)など様々なところで働いている人がいます。
例えば、巡回相談員だと、地域の保育園や学校を回って、お子さんへの関わり方の相談を受けてアドバイスをしたり。家庭裁判所調査官は、家庭内の問題の解決や非行少年の立ち直りに向けて面談や心理検査を行ったりします。きらりで働く私は、福祉領域の心理士になります。

Q2.きらりではどんなことをしているの?

きらりでの心理士は、主に5つのことをしています。

① 1対1の通常支援

お子さんの普段の様子を知り、直接関わってやりとりすることも大切にしています。子どもたちから学び、元気になったり癒されたりすることも多いです。

② 知能検査

お子さんの得意・苦手を客観的に知り、生活や学習の中でのより良い過ごし方やお子さんに対する捉え方、進路などを探っていきます。

③ プレイセラピー

心の傷を癒したり、生きやすいように意識や行動を変えていくことを目的に、遊びを使ったセラピーを行っています。今のところセラピーの利用は、きらり内で話し合い、お声がけする形になっています。

④ 関連機関連携(学校訪問など)

検査の結果やセラピーから考えられることなどを、学校に訪問して お伝えすることもあります。

⑤ 先生方との情報共有

きらりの先生方との話し合いの中で、よりよい支援のために参考になりそうな考え方や支援の仕方を、心理士の立場から伝えることも大切にしています。