きらり心理士だより「心ばかり」2024年1月号
あけましておめでとうございます。臨床心理士の山田清美です。
2024年もどうぞよろしくお願いいたします。
きらりでは、今年も“今年の一字”を書き始めています。
子どもたちだけでなく、大人である私たちスタッフも、今年の一字を決めて自身の成長を祈っています。ちなみに私は新年早々体調を崩したこともあり、健康の“健”にしました。みなさんは、どんな一年にしたいですか?
継時処理と同時処理
きらりでは、5月からK-ABCⅡという知能検査を新たに始める予定です。
詳しくはまた別の書面でお伝えさせていただくのですが、簡単に言うと、認知処理のスタイルと、語彙・読み書き計算の習得度を客観的に知ることができる検査です。
その中で重視する視点として、認知処理のスタイルが継次処理型なのか、同時処理型なのか、というものがあります。
さっそくですが、次の場面について、あてはまる方にチェックをつけてみてください!
1.ナビゲーション(道案内)
□(A)「次の角を右に…」「コンビニの角を左に…」など、その都度言葉で説明された方が理解しやすい。
□(B)道のり全体や目的地と現在地の関係が、地図上にいつも表示されている方が理解しやすい。
2.夕飯の買い物
□(C)どちらかというと、品物を見ながら考える。
□(D)どちらかというと、リストをつくって買い物をする。
3.家族との会話
□(E)印象的なエピソードを中心に話すことが多く、数字や固有名詞はあまり登場しない。
□(F)その日の出来事を順番に話すことが多く、数字や固有名詞が登場することも多い。
4.組み立て式家具など
□(G)説明書を読んで、言葉の説明を手がかりに組み立てることが多い。
□(H)説明書の図・写真などを見て、完成形を手がかりに組み立てることが多い。
(A)(D)(F)(G)は、継次処理型のスタイルで、
(B)(C)(E)(H)は、同時処理型のスタイルです。
どちらか決まった型がない人もいるそうですが、みなさんはどちらのスタイルが実生活の中で多いでしょうか?
一つ一つ段階を踏んで学び、順序だてて考えるのが得意です。
学ぶ時には、部分から全体へ、聴覚的・言語的・時間的・分析的にするのがポイントと言われています。
(例)順を追って話す、部分から書く、部分練習をする、手順を示すなど
物事を全体的に理解し、関連付けて考えるのが得意です。
学ぶ時には、全体から部分へ、視覚的、運動的、空間的、統合的にするのがポイントと言われています。
(例)全体像を話す、全体から書く、全体像を見せる、イメージを示すなど
検査からはお子さんの傾向が分かりますが、保護者のみなさんも自分の傾向について知ってみると、「自分の得意なやり方が、もしかしたら子どもにとっては苦手なやり方かも・・・」と発見が生まれ、接し方が変わってくるかもしれません。
参考:藤田和弘著「継次処理と同時処理 学び方の2つのタイプ」