きらり心理士だより「心ばかり」2024年3月号

こんにちは。臨床心理士の山田清美です。
今年度も終わりが近づいてきましたね。
高3、中3、小6のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
きらりを卒業するお子さんもいて、スタッフ一同寂しい気持ちも
ありますが、さらなる成長を願っております

さて今回は、“出会いと別れの季節”で、お子さんが不安や怒り、落ち込みといった気持ちを抱えやすい時期ということで、大人が子どもの“ネガティブな気持ち”を扱うことについて、考えていけたらと思います(^^)

 

みなさんは、“ネガティブな気持ち”、また反対に“ポジティブな気持ち”と聞いて、どのような言葉が思い浮かびますか?

例えば…

ネガティブな気持ち

不安、寂しい、ひとりぼっち、嫌な感じ、がっかりする、落ち込む、
悲しい、いなくなりたい、誰も信用できない、腹立たしい、虚しい、
悔しい、モヤモヤする、イライラする、自信がない、何もしたくない、
誰かをいじめたい、どうせ自分なんかダメだ      など

 

ポジティブな気持ち

楽しい、嬉しい、幸せ、面白い、明るい、最高、気持ちがいい、
ワクワクする、ほっとする、安心する、気持ちが落ち着く、
自信がある、元気がでてくる、上手くいく感じ、自分はできる、
ありがとうと言いたい、気持ちが晴れる、清々しい、感動する など

まだまだ沢山、その人の気持ちにぴったりとくる言い回しを考えると、“気持ち”は無限にあると言えます。みなさんは、どれだけ多様な気持ちに気付き、知り、扱えているでしょうか。
“心“ ”気持ち“ がクローズアップされている現代においても、日常生活の中で、自分の気持ちを口にしづらかったり、“気持ち”というものに注意を払わず過ごす人が多いと言われています。

また、ネガティブな気持ちは、大人でも避けたいものです。お子さんと関わる際、ネガティブな気持ちを聞いて、大人の方が、子どもの中のネガティブな気持ちをどう扱ってよいのか困ることで、「そんなことないよ」「気のせいだよ」「もう大丈夫だから」などと、ついつい返してしまうこともあると思います。
そのような言葉は、「わかってもらえない」「そんな風に感じてはいけない」と感じやすく、ネガティブな気持ちの行き場がなくなり、お子さんはその気持ちと向き合えず、行動や身体症状といった形で無意識に表現されることがあります。大人が、お子さんの気持ちの器となり、その気持ちを一緒に抱えていくことがとても大切です。

 

言葉かけのポイント

① お子さんが気持ちを話してくれた際は「○○って感じるんだね」「○○って思うんだね」と気持ちを受け取る。(この際、気持ちとぴったりでなくても大丈夫です。お子さんが心の中で、自分の気持ちと言葉を照らし合わせていく作業そのものがとても大切です)

② 言葉で上手く表現できない場合は、お子さんの気持ちを大人が推測し、「○○って思うかな」「○○だね」と、気持ちを代弁する。

③ “気持ちを受け取ること”と“ 行動を容認すること”は別物。認めがたい気持ちに対しては、「○○って思うんだね、でもここではこう
するよ」などと、2段階に分けて対応する。

これはお子さんに限らず、保護者の方一人ひとりの心にも言えることです。
ネガティブな気持ちに気付いて受け止め、ポジティブな気持ちに少しずつ変えていけるよう、自分の心にも耳を傾けてみて下さいね。

今回の内容は、
『感じない子ども こころを扱えない大人』(袰岩奈々著)
という書籍を参考にしています。
現在、安佐南教室のきらり図書に置いています。
ご興味ある方はぜひ読んでみて下さい。

次回は、4月を予定しています!