きらり心理士だより「心ばかり」2024年4・5月号

こんにちは。臨床心理士の山田清美です。
今年度がスタートし、もうすぐ1か月が経ちます。
新年度の疲れが溜まっている頃かと思いますので、
ゆっくり“何もしない”時間を作るのもよいかもしれません。

さて今回は、“ペルソナ”という心の仮面の役割についてお話したいと思います(^^)

“ペルソナ”ってなに?

一人でいる時の自分、家族の前での自分、仕事をしている時の自分…。
みなさんにも、色んな“顔”があると思います。
そのような色んな顔のことを、心理学では、仮面に見立てて“ペルソナ”と呼びます。

突然ですが、
ペルソナが語源になっている言葉は何か、分かりますか?

…正解は、パーソナリティ(personality、人格)です!

仮面をつけることで、自分の今いる環境や社会の中で求められる役割を果たしています。これは、仮面の外的な適応の側面です。
また、ペルソナの語源には、「お面・仮面を通しても内から外に響く肉声」の意味もあります。外的な役割を果たしながらも、表出してくるその人らしい個性を表しています。ペルソナは、自分の内的な適応と通じ合うものとも言えます。

演劇をイメージしていただけると分かりやすいかと思います。たとえば、ピーターパンの役に求められるセリフや動きはある程度決まっています。
そのセリフや動きを完璧に行おうすることは外的な適応と言えます。

ただ、同じピーターパン役でも、違う演者が演じると全く異なるピーターパンになります。それがその人なりの内的な適応であり、その人のパーソナリティ(人格)ということになります。

また、心の仮面と聞くと、ない方が“ありのまま”でいいのでは?と思うかもしれません。でも、この仮面は、自分自身を守るための鎧や盾の意味もあります。ありのままの自分を守るための鎧や盾を、自分なりに作りあげていくことが、とても大切になります。


新学期に入り新しい環境で、自分に合った仮面や鎧、盾を見つけるまでは時間がかかったり、疲れやすかったりするかもしれません。環境にも自分にも合う仮面、鎧、盾はどんなものなのか、焦らずじっくりきらりで一緒に考えていきましょうね。

 

ペルソナの応用!

苦手な人との関わり、どうしても避けられないこともあると思いますが、そんな時にもペルソナが役立ちます!
苦手な人には、自分を守れて、相手も傷つかずにその場を過ごせるような仮面を作ってかぶることで、関わりを持てるかもしれません。

次回は6月を予定しています!